「精神分析的心理療法の実践」を読みました。

馬場禮子著「精神分析的心理療法の実践」を読みましたので、感想を書いてみたいと思います。

本著書は、精神分析的心理療法をこれから始めて行おうとする方に向けた本です。心理学、心理療法に対する知識を読者がある程度有していることが想定されていると思います。しかし、著者が講義をするような形で進んでいくため、非常に読みやすいと感じます。初学者でも、精神分析の重要な点、つまづきやすい点について理解できる良書であると感じました。

現在の医療界では、精神分析のみで治療を行う医療者は少なくなりました。しかし、精神分析の考え方自体は医療現場で深く浸透しているし、その知識を有しているのといないのでは、現場でできることも変わってくるだろうと思います。

「この人は、どうしてこんな風に考えるのだろう。どうしてこんなことをするんだろう」
「今、自分と相手の中で、何が起きているんだろう」

クライアントを目の前にすると、医療者はしばしばそのように悩みます。クライアントを理解できず、治療がうまく進まなくなることも珍しくありません。
しかし、今までとは別の視点で見てみると、相手の行動が解釈しやすくなったり、現場で起こっていることが見えてきやすくなることがあります。クライアントに対して、「様々な補助線を引ける」技能を持っていると、クライアントがどういう状態であるのかがより良く見えてくるし、結果的には、よりレベルの高い評価、介入ができるわけです。
現在は、薬物療法がおこなわれることが増えたし、非薬物的介入についても、認知行動療法や弁証法的行動療法等が流行しています。しかし個人的には、精神分析の知識が不要になったとは思いません。初学者にも優しい本書は、むしろ以前よりも価値あるものになっているかもしれないと思いました。

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