(ネタバレ注意)ノベルゲーム「ななつぼし」をプレイしました。

僕の中で、ノベルゲーム熱がまた高まってきました。元気があるうちに、ノベルゲームの感想なども書いておこうと思います。今回取り上げますのは、6人のライターさんによる合作ノベル「ななつぼし」です。合作のベルと言えば、「エイトストーリーズ」というゲームもありました。皆でひとつの作品をまとめ上げる過程はすごく楽しそうで、羨ましいです。

「ななつぼし」の構成は、最初の共通ルート、その後を描いた6つの物語という形です。出だしは同じでも、作者さんによってどのように物語が変わるのかが大きな見所ですよね。
6つの物語について。個人的には「変化球」を投げてきた作者さんが多いと感じました。つまり、共通ルートからは予想できない展開をみせてくれたということですね。
正直に言いますと、設定や展開が共通ルートと大きく異なり、序盤は違和感を覚えた作品もあります。ただ、それはつまり、そこまでしてでも書きたいものが作者さんの中に確固としてあるということでしょう。そのためでしょうか、中盤以降は読者をぐいぐい引っ張る力強い作品が多かった印象です。
以下、作品ごとの感想を。ネタバレ注意です。















キャンヴァス国物語(作者:Y-Fさん、HP :Y-F's Office
6つのうち、最大の「変化球」のひとつでしょうね。しかもナックルボールみたいな球で、序盤の様子からは結末が全然見えませんでした。
しかし、わざわざこれだけ大掛かりな舞台を作っただけあって、展開はかなり面白かったです。
特に、主人公の隠された能力が明らかになるシーン。その能力も意外なもので、想像力を掻き立てられてわくわくしました。個人的には、もう少しこの能力を使いこなす様子が描写されてもよかったかな、と。ふたりで能力を駆使して強敵を倒すシーンとかあっても、全然書きすぎではなかったと思います。そう思えてしまうほどに魅力的な設定でした。
ラストは読者に委ねられ、余韻が残ります。個人的に、主人公はリトを助けただろうと思っています(笑)



復讐の遺伝子(作者:ヒビキソラさん、HP :スタジオヒビキ
さまざまな「愛」を描いた物語。
後書きを見ますと、まずは「イロ生主の『みる』をどういう人物設定にしようか」というアイデアありきで作られた物語だったようです。しかし、それを感じさせないくらいテーマがまとまっていたと思います。テーマを大切にするこういう作品が僕は好きですし、自分でも作りたいと思いますね。
物語の展開もよかったです。「笹原幸知子は何者なのだ」という疑問が最後まで続く構成ですので(僕が鈍感なのもあるのですが)、それが読者を引っ張る力にもつながっていました。
主人公の信念は幼少期の経験から作り出されたものなのでしょうか。彼の「愛」はひどくゆがんでいました。そんな主人公が「みるたん信者」のゆがんだ愛で殺されてしまうのは、なかなか洒落のきいた結末だと思います。




日常と非日常の境目は(作者:あほちゃんさん、HP :あほちゃんとわたし
共通ルートの流れ、および設定を丁寧に引き継いでおり、安心して読める作品でした。
主人公のうじうじする様子がリアルに描かれていて、ネガティブ系男子の僕は共感度高かったです(笑) 
しかしそういう展開もあったからでしょう、後半、主人公の思い切った行動は光りますね。オチも「ニヤニヤ系」で、なんだか幸せな気分になれました。誰も死んだりなどすることないお話ですので、文句なしで読後感は良いです。
最後に。自分に迫ってこいと全力で主人公の背中を押すみるさん、大好きです(笑)



ラブ・ライブ・エンコーダー(作者:NaGISAさん、HP :NaGISA net
共通ルートと書かれた作者さんの作品。当たり前かもしれませんが、共通ルートとの繋がりがいちばん自然な作品だと思います。
この作品の特筆すべきところは中盤だと思います。みるの策略が功を奏し3人は顔合わせをするわけですが、このシーンは6つの作品の中でもトップクラスに面白かったです。みると一緒に、「主人公たちがどんなリアクションをするのだろう」とわくわくしながら読み進められました。
それだけにやはり、小林さんが死んでしまう流れは唐突でつらいと感じました。ラストのまとまりは綺麗だったと思います。みるちゃんかわいい。そして、リスナーは正装しすぎ。
追記。本作は「作者さんの実話も含んだ話」ということでしたね。つまり本作で出てくるコンビニのモデルは、つけてくれたという伝説の……、いや、考え過ぎでしょうね。





(~略~)知的的な人生も良いと思います(作者:オザキショウゴさん、HP :SEAandSKY
ごめんなさい、題名があまりにも長いので略させていただきました(笑)
主人公と男キャラの友情を描いた物語。これも、キャンヴァス国物語並みに変化球な作品と言っていい気がします。
本作は序盤から急展開を見せます。主人公と一緒に戸惑いまくりましたし、正直「なんでこんな展開になっちゃうんだ」と納得できない気持ちもありました。しかし、正反対の性格を持つ男2人がそれぞれの違いを認め合い、不思議な信頼関係を作っていく展開はよかったと思います。
また、自分ではとても描けそうにない設定(裏社会の様子など)を貫いてくれましたし、この変化球を最後まで楽しませていただきました。
個人的なことですが、ラストにアマルフィが出てきてうれしかったです。というのも、卒業旅行で行った場所なんですよね。また行きたくなっちゃいました(本当に個人的なことですみません)。




みえないみる(作者:義弓くーさん、HP :BLUE AZALEA
序盤は下ネタがどぎつい作品ですね(笑) なんだか親近感が湧きます。僕も、ゴ○ゴの濡れ場にはまった変態中学生を書きましたよ、ふひひ。
と、軽そうなノリで始まった話でしたが、途中でいきなりあかされる事実にはびっくり。全然気が付きませんでしたが、読み返すとなるほど伏線はあったのだと唸らされました。
中盤は、「主人公は、いつみるの正体に気が付くんだ?」と期待させる力で引っ張ります。なかなか気付かない主人公がもどかしい。個人的に、中盤の描写はもう少しシェイプアップしてもよかった気もしますが、それは展開に期待する気持ちが強かった表れでもあります。
そうして辿り着いたラスト。期待通り、いや期待以上に綺麗な展開でした。肉じゃがのシーンもいいし、親父とみるがふたりで話すシーンも僕はよかったと思います。人の思い、絆の温かさを感じさせてくれました。




以上、それぞれの作品の感想でした。
さて、「エイトストーリーズ」は作者さん当てという楽しみもさせていたきましたね。やるからには一生懸命、をモットーに、ものすごいエネルギーをかけて読んだ記憶があります。
しかし、今作では作者さん当てができませんでした(最初に作者名が出ておりました)。少し残念。
今回はまだエネルギーも余っていますし、せっかくなので「この共通ルートを準備していただいたとき、自分ならどんな風に作るか」を考えてみることにしました。



僕なら、主人公とみるが、実はサウンドノベルを趣味にしている、みたいな展開にしますかね。
あまりにも奥手な主人公をどうにかしようとリスナーが面白半分に騒ぎ出し「ゲームで会話スキルを鍛えろ」とアイデアが出る。そこから、みるがサウンドノベルの作り手であることを告げる。
みるはリスナーと妄想爆発させ「コンビニさん攻略ゲーム(仮)」を好き勝手に作っては主人公にやらせていく。で、主人公も、こんなの嫌だ、自分ならこんなストーリーにしたいとか言って一緒になって作り始めちゃって。結果、主人公とみるの距離が急接近。
その後、ゲームは「マルチエンドもの」になって完成。これはサブキャラ攻略も可能になっていて、主人公を支え続けてくれたイロ生主と幸せになるエンドも作られている。最後は主人公が「実はこのエンドが一番気に入っているんだ」とみるに告げ、ふたりは付き合うことになる。


……うわぁ。こっぱずかしすぎる展開で、死ねますね(笑) 
しかし、「作者妄想おつ!」過ぎる内容に、少しはニヤニヤしてもらえそうな気もします。また、サウンドノベル作りを楽しそうにする描写が入りますので、「サウンドノベル普及の会」の趣旨にあうかも? 
しかし問題点が。こんな展開では、小林さんの存在意義がほとんどない……。ま、途中で彼女には恋人がいることが判明してしまうとかにして、さらりと舞台から降板していただきますか(笑)




と、最後に九州壇氏の不要な妄想まで書いちゃいましたが、そのくらい読み手をわくわくさせてくれる企画だったということです。ゲーム内容も、作者さんたちのカラーが色濃く出た良いものばかりだったと思います。
未プレイの方は是非プレイされてください。

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