より「奥」を目指して。

思えば、今までなんとテキトーな読書記録ですませてきたことか。自らのブログを読み返してみると、「素晴らしいと感じた」とか、「よく分からないけどお勧め」などという陳腐な感想が並んでいます。もちろん、第一印象というのはバイアスの少ない「素直な感想」ですから、特別なものといえば特別です。ですが、深く読むことのできない人間の第一印象なんて、所詮はあんなものだったというわけです。自分のことながら、かなり恥ずかしいですね。
何故急にこんなことを感じ始めたのかというと、やはり自分が変化してきたからだと思います。以前も言ったように「草の花」を読み返していますが、本当にゆっくりとしか読めていません。試験期間中であることも原因のひとつですが、何よりも「ゆっくりと咀嚼しながら」読んでいるからです。これも以前設置したホワイトボードによるものですが、効果は抜群だったと言えます。
確かに、ゆっくり読むと言う行為は時間がかかるし、少しめんどくさい作業ではあります。ですが、おかげでようやく「文学」の旨みが少しだけ分かってきたように思います。
今になって思えば、何度も立ち止まりながら読む行為は、自分にとって最も大切なことだったように思います。今までの僕は、もっと先を目指す、というスタンスで読書生活を送ってきました。もちろん、本を読んだ数は一冊でも多い方がいいでしょう。それに、「これだけやりました!」と目に見えた成果をあげるのはなんとなく嬉しいものでしたから。ですが、それだけでは足りないのだと今なら分かります。例え何十冊読もうとも、ただ上辺を撫でているだけではいつまでも深いところは見えてきません。ですから今の九州壇氏は、「先」を目指すのではなく、ゆっくりでいいからその本に隠れている「奥」を目指していくような感覚で文字を目で追っています。そのおかげで今度こそ、以前よりは幾分かマシな自分の感想を述べられると思います。
こういうわけで、しばらくは福永武彦に執着した読書が続くと思います。「草の花」はまもなく読み終わりますが、次は「忘却の河」を再読したいと思っています。亀のような読書スピードですが毎日確実に進んで行きますので、気長にお待ちください。

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